医研ブログ

『医療と社会』18巻1号発行されました

事務局イガラシです。久々のエントリーです。


『医療と社会』18巻1号が出来上がりました。「アジア・太平洋地域の医療保障制度」特集号です。インド、オーストラリア、中国、韓国、シンガポール、台湾、フィリピン、それに日本の医療保障制度を対象にしています。


このブログでもお伝えしたように、特集号発行に先駆けて3月にシンポジウムが行われましたが、「日本の医療制度は問題だらけだと思っていたけど、他の国に比べればまだマシだよ」と感想を述べられる参加者もおられました。


手厚い医療が提供される国もあれば、自助努力でどうにかしなさいという国もあり、国情や文化の違いに応じて制度はさまざまですが、他の制度の研究あるいは比較を通じて、またひとびとの需要に応じて、柔軟に変化を受け入れられる制度であってほしいです。


個人的には現在の日本の医療制度には満足していますが、就業状態、健康状態が変わってしまったときにどうなるんだろう、という不安はあります。健康で働けるうちの負担は大きくても、健康状態が悪くなったり、障害をもったり、高齢になったときに安心して頼れる制度がいいですよね。


現在の制度はあらかじめ熟知していないと、どうも損をしてしまうような印象があります。制度のお勉強がきちんとできていないと損するなんて、不公平ですよね!学歴が高いほど健康状態がよい、という研究があるそうですが、こんなところにも理由のひとつがある気がします。

「アジア・太平洋地域の医療保障制度」シンポジウム

事務局イガラシです。


3月1日・2日に、「アジア・太平洋地域の医療保障制度シンポジウム」が一ツ橋の学術総合センターで開かれます。『医療と社会』18巻1号(2008年4月刊行予定)に掲載予定の、「アジア・太平洋地域の医療保障制度」特集論文執筆者の先生方に、それぞれの研究内容をお話いただきます。座長は、特集号で責任編者をお願いしました井伊雅子先生(一橋大学大学院国際・公共政策大学院教授)です。


当日は研究発表の後に、各国の医療事情にお詳しい研究者の方々にコメントをいただく予定です。フロアからのコメント・質問も歓迎いたします。座席数が限られておりますので、ご関心のある方は早めにお申し込みをikensympo2●iken.org(●を@にしてください)まで!ホームページトップにて詳しいご案内をしております。

最近の気になった番組から

とある小学5年生のクラスでの出来事~(NHK特集「5年1組小皇帝の涙」より)


生徒「今はあんまり成績がよくないけど、これからもっと勉強して将来はお医者さんになりたいです」


先生「お医者さんは人の命を預かるとても大切な職業です。成績の悪い子が目指すべき職業ではあり
ません」


こんな会話が普段から飛び交っているのは、「一人っ子政策」を続ける中国。子供たちは超過保護に
育ち「小皇帝」と呼ばれ、将来に対する親の期待は絶大だ。授業を終えて家路を急ぐ子供たち。
家に帰れば山ほどの宿題をこなし、その進捗状況を10分置きに確認する親たち。
ある日、成績の良い生徒がまとまって帰りの掃除当番を怠って帰ってしまった。翌日のホームルームで先生に大層怒られるが、怒られた女児の一人が泣きながら「早く帰らないとお母さんに叱られるの。
帰りが遅ければ宿題やる時間が少なくなるでしょうと言って、ものさしで打ったりするの」と訴える。
泣きじゃくる女の子の背中をさすってやりたいと思うのが大人というものだと思うし、先生もそうしていた。しかし親たちの言い分はこうだ。「私は国営企業で働いていてリストラに遭った。子どもに将来いい就職をさせようと思えば勉強を強いるのは当然のこと」「私たちの子どもは一人だけ。子どもが将来いい大学に入って、いい会社に就職すれば私たちの子育ては100%成功したと言えるが、子どもが希望の就職先に入れなければ私たちの子育ては100%失敗したことになる」大学新卒で就職できない人たちが20%以上いる競争社会では、親の焦りは相当なものらしい。


やがてクラスは成績が良い子のグループ、普通の子のグループ、出来の悪い子のグループに自然と
分かれていく。成績トップの子の背中を一生懸命追いかけるある男児の座右の銘は「朱に交われば
赤くなる」だ。「成績の悪い子と遊んでいた頃は、怠けることばかり考えていた。それじゃダメなんだ」
中国政府はこの高まる一方の教育熱を何とか冷まそうとしているがなかなか突破口を探れないでいる。番組の最後は上述の女児の言葉で締めくくられる。「共産党大会で小学生の負担が重過ぎる、
軽くしようと言っていたけど、私たちのカバンは重くなる一方よ!」


こんなに頑張っている子どもたちの将来が是非とも報われる社会であって欲しいと願うが、私たち日本人が、次の世代でも複雑でデリケートな中国社会と付き合っていくことになるのも確からしい。
(事務局 ナカムラ)

年の初めに 

1月4日の東京株式市場は大幅に下落し、経済に先行き不透明感が拡がった。医療においても医療費適正化計画、後期高齢者医療制度がスタートするが、日本の医療の方向が見えない。人口の高齢化と医療技術の進歩により益々増加する医療費と限りある医療資源の狭間で生じる課題に向け、医療科学研究所は、社会の英知を結集し、新しい時代への回答を表明する場としての役割を担いたいと願っている。
本年も、研究活動を活発に推進していく所存ですので、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。
                                                   事務局長 内山

語学問題

事務局イガラシです。

先日、英会話習得をめざす友人にアドバイスを求められたのですが、(1)お気に入り映画のDVDとシナリオ本を購入し、(2)繰り返し見る&聴く、という学習法を提案しました。読み書きの基本ができていたら、あとは耳の訓練次第で会話は上達すると思うんですよね。子供が言葉を覚えるのと同じで、たくさん経験を積めば、単語でなく文章で聞き取りができるようになる。残る問題は、時間をどれくらいかけられるか、です。語学習得に近道はなし。

このようにコツコツと努力すれば上達するのは自明なわけですが、栄養ドリンク的に即効性のある学習法というのも存在するのでしょうかね。研究者の方は海外への出張や学会報告の機会も多いと思いますが、事前に英会話学校に通われたりするのでしょうか。

今年の流行語大賞は?

事務局の中村です。


毎年、年末になると流行語大賞の選出が話題になりますが、ノミネートされるであろう流行語に「工場萌え」なる言葉があるのをご存知ですか? 私、昨日知りました。


読んで字のごとしで、意味は「工場を眺めて、萌えること」だそうです。工場プラントを昼、夜と愛で、その外観に魅了される人が多く存在し、ブームの火付け役となった「工場萌え」なるフォト&ガイドブックが版を重ねているそうです。ちょっと覗き見してみた写真集は、かなりの迫力!夜間照明に照らされたコンビナートプラントは圧巻で、「鉄錆部分に哀感を覚え、筒状のパイプに艶を感じる」と称した人を笑えなくなりました。工場巡りをするツアーもあるそうですから、大したブームです。


因みに、「萌え」の意味は、「オタク文化において、アニメ・漫画・ゲーム等様々な媒体における、対象への好意・傾倒・執着・興奮等のある種の感情を表す言葉」だそうです(Wikipediaより)。この言葉、市民権を持ち続けて長くなりますが、私は本来の「(草木が)芽吹く」という意味を遠ざけているようで、あまり好きにはなれません。

作家 星新一について

事務局の中村です。


昨日、ぶらっと立ち寄った古本屋の100円コーナーの棚で星新一著「N氏の遊園地」を見つけて、そそくさレジに向かいました。没後10年の今、作家・星新一の功績を見直そうとする動きがあるそうです。その流れに最相葉月著「星新一 1001話を作った人」(2007年講談社ノンフィクション賞受賞)が少なからず寄与していると私は確信しています。


星新一は父親が星薬科大学の創立者で星製薬の創業者星一。母方の祖父母は帝国大学医科大学長で解剖学者の小金井良精と森鴎外の妹・小金井喜美子という抜群のバックグラウンドをもっています。そして、SFという分野のパイオニアであり生涯その第一人者であり続けました。文庫の発行部数は3千万部を超え、20言語以上に翻訳されたそれらの本は世界中で今なお読まれ続けている超人気作家ですが、意外にも目立った賞歴がありません。これは、SF・ショートショート(掌編小説)の分野が文壇では格下とみなされていたからです。多くのショートショート作家(小松左京、筒井康孝など)が長編に転向する中、星新一はこの分野で書き続けました。そして、生涯1001話のショートショートを書き残しましたが、その知られざる壮絶な創作の舞台裏を書き記したものが最相葉月の「星新一 1001話を作った人」なのです。


詳細は割愛せざるを得ませんが、関係者134人の取材と膨大な遺品から5年以上の歳月をかけてその生涯をたどった「星新一 1001話を作った人」は、何より著者の星新一に対する愛情が深く伝わってくる素晴らしいノンフィクションだと思います。私もかなり感化され、読了後は少しずつ星新一の本を探しては読むようになりました。そのセールスの偉業とは別に星新一が描いたSFの世界が今具現化されている(ネット社会、個人情報問題など)ことも見直されている原因のひとつです。激しい暴力シーンや性描写は避け、極力時事風俗を扱わなかった作品は、何より「時代を超えて読み継がれてほしい」と星新一が切に願った遺産です。文学賞には縁のなかった星作品がこれからも沢山の人に読み継がれてほしいと私も願わずにはいられなくなりました。機会がありましたら、是非皆様にもお手にしていただきたいと思います。


最後に、星新一が医療事故がもとで亡くなったことをそっと書き添えたいと思います。

医師 青年剣士の話

事務局の中村です。
先週、小さな記事(10/31付、朝日新聞夕刊)に目が留まりました。
警察官が圧倒的多数を占める剣道の全国大会に25歳の研修医が挑戦するという話です。
鳥取大医学部出身で、現在山陰労災病院(米子市)の研修医である乗本志考(ノリモト シコウ)さんは、
予選の鳥取県大会前夜、患者さんの様態が悪化して病院に呼び出され、当日も朝6時から病院に詰めていたという最悪のコンディションの中、「逆に力が抜けて、無心になれた」そうで、8連覇の懸かった強豪を延長の末破り、念願の全国大会初出場を決めました。

是非頑張って欲しいと応援していたのですが、残念ながら11/3の日本武道館では1回戦で敗退されてしまいました・・・「患者さんに尽くそうと思ったら剣道をやる時間がない。剣道をどこに位置ずければいいのか」と悩むご本人の弁が心に残ります。医師の過重労働の問題を普段とは少し違う目線から思い知った気がします。時代小説ファンとしては、是非とも頑張って文武両道の道を進んで欲しいと願うばかりです。


ネットか単行本か

事務局のウチヤマです。
最近、情報の入手先が新聞・雑誌からネットに主流が移りつつありますが、学術書になるとダウンロードにも時間がかかり、どうしても研究のためには単行本となるようです。当研究所でも医療科学に関する専門書を揃えておりますが、管理・保管が悩みの種になっております。


シンポジウムご参加ありがとうございました

事務局イガラシです。


10月19日のシンポジウム「医療法人制度改革の評価と今後の課題」へ多数ご出席いただき誠にありがとうございました。当日は190名を超える方々がご参加くださり、おかげさまで盛会のうちに終了することができました。座長・シンポジストの講演要旨をhttp://www.iken.org/activity/symposium/index.htmlにまとめました。みなさまのアクセスをお待ちしております。


例年第1部の座長・シンポジストの講演が終了するとお帰りになる方がいらっしゃるのですが、今年はほとんどの方が第2部の質疑応答および総合討論にも引き続きご出席され、テーマへの強い関心が感じられました。医療の現場で実務にあたられている方々には、医療法人制度改革に対し、多くの不安やとまどいがあるようです。質疑応答にはそのような状況が窺われるご質問が多々寄せられました。


シンポジウム議事録は、来年2月発行予定の『医療と社会』に掲載される予定です。また、近日中、座長・シンポジストの講演をホームページにて音声付動画で公開する予定です。


最後に、前にブログで触れた「STAFF問題」ですが、結局「スタッフ」に落ち着きました。一部ご関心をもっていただいた方へご報告まで。

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