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シンポジウム

医研シンポジウム 医療関連データベースの充実と活用
−エビデンスに基づく我が国医療の更なる発展に向けて−
 

シンポジウムの様子

シンポジウムの様子

電子レセプトやDPCの普及に伴い、医療の質の向上と安全確保へ向けた医療関連データベース活用への動きが急速化し、各界から大きな期待が寄せられています。一方で、利用環境の整備は大きな課題と指摘されています。

医研シンポジウム2013では、医療関連データベースの最新動向を各講演者よりご紹介いただき、同時にさまざまな課題が明示されました。パネルディスカッションにおいても、会場の参加者を含め多様な意見交換がなされ、本シンポジウムが本格運用へ向けたひとつの道標となったのではないかと思います。 事務局編集による各講演内容は、次の通りです。

開催概要

日 時
平成25年9月10日(火)13:30〜17:00
会 場
東京国際フォーラム ホールB5
東京都千代田区丸の内3-5-1
主 催
公益財団法人 医療科学研究所
後 援
厚生労働省

プログラム

開会挨拶 公益財団法人 医療科学研究所 理事長 江利川 毅
来賓挨拶 厚生労働省 医政局長 原 德壽
座長趣旨説明 東京医科歯科大学大学院 医療政策情報学分野 教授 伏見 清秀
パネリスト講演 東京大学大学院 医学系研究科 公共健康医学専攻 臨床疫学・経済学 教授 康永 秀生
北海道大学病院 地域医療指導医支援センター
センター長、准教授
藤森 研司
産業医科大学 医学部 公衆衛生学教室 教授 松田 晋哉
京都大学大学院 医学研究科 社会健康医学系専攻 健康情報学分野 教授 中山 健夫
東京大学大学院 医学系研究科 医療品質評価学講座 准教授 宮田 裕章
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA) 安全第一部長 渡邊 伸一
パネルディスカッション    
座長まとめ    
閉会挨拶 公益財団法人 医療科学研究所 専務理事 戸田 健二

(敬称略)

座長趣旨説明

東京医科歯科大学大学院医療政策情報学分野 教授 伏見清秀の画像

医療関連データベースの充実と活用
〜エビデンスに基づく我が国医療の更なる発展に向けて〜

東京医科歯科大学大学院 医療政策情報学分野 教授
伏見 清秀

21世紀に入って医療データの新時代が日本でも幕を開けた。そのひとつのきっかけとなったのが2002年から収集されているDPC(Diagnosis Procedure Combination)データで、一昨年度で878万件強がデータベース化された。さらに、レセプトの電子化が進み、NDB(National Database)も年間9.5億件と膨大な数に及んでいる。それに加え、さまざまな臨床関係データベース、SSMIXといった臨床に関する診療情報などのプラットフォームの拡充も日々進んでいる。情報技術の進歩とともにビッグデータが蓄積され、使えるようになっているのが医療の世界と言える。

本日の講演では、医療データベースがどれだけ有益なものかご理解いただけると思うが、その次の課題についても是非、一緒に考えていただきたい。例えばビッグデータをどのように扱うべきかについて、医療界だけでなく、学会や政府、国民も含め、共通理解ができているのか。また、リソースの整備はできているのか。人材の育成、インフラの構築、データ管理、そして本当に投資をして維持していく価値があるのか、このようなことも含めて考えたい。もうひとつの課題は、集まったデータを誰が、どのように使っていくのか。これは個人情報保護にも関係する大きな課題である。

本シンポジウムの目的は、1.医療データのもつ力と可能性に対する共通理解を深めること、2.医療データの力を我が国の医療の発展に活用するうえでの課題の認識と問題意識の共有。後者については後半のパネルディスカッションでも多様な議論を試みたい。

パネリスト講演1

東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻臨床疫学・経済学 教授 康永秀生の画像

DPCデータによる臨床疫学研究の成果と課題

東京大学大学院 医学系研究科
公共健康医学専攻 臨床疫学・経済学 教授
康永 秀生

大規模な医療データベースには、患者登録型データベース、診療報酬請求型データベースがあり、電子カルテも多施設で統合した場合、データベースになる可能性を有している。患者登録型データベースは、特定の疾患や診療領域の患者個票データを共通のデータフォーマットを用いて多施設から恒常的に登録してもらうもの。それに対し、診療報酬請求データは、病院が日常業務として行っている診療報酬請求のデータを学術研究利用しようというもの。後者の利点は症例数が多く、ほとんどすべての疾患が網羅されていること。ただし、詳細な臨床データは含まれない。米国の診療報酬請求データは、官と学が緊密な連携を保ちながらも、学がイニシアティブをとって研究利用を促進するシステムとなっている。日本では、2011年から厚生労働省がNDBを提供開始した。DPCデータはまだ一般公開されていない。DPCデータは1,000施設超のDPC病院で記録された入院診療行為の詳細データで、身長・体重から疾患の重症度まで、非常に詳しい情報が含まれる。もうひとつの特長は薬剤や検査処置の回数や量、実施日なども同定可能な点にある。DPC研究班では、各専門領域の先生方と共同研究のフレームワークをつくり、結果のアウトプットは科学的な手順に則った論文として出版している。データへのアクセスは、セキュリティ上、オンサイトでアクセスいただいている。

DPCデータを用いた研究例を紹介する。肝切除術(拡大葉切除)においては、年間手術件数の多い施設の死亡率0.5%に対し、少ない施設は7.1%と高いことが分かった。急性膵炎に対するGM(メシル酸ガベキサート)については、GM使用群と非使用群で死亡率や在院日数に有意差がないこと、非重症例では使用群の入院医療費が有意に高いことが分かった。院外心肺停止患者にかかる医療費の研究では、80歳未満よりも80歳以上の患者のほうが入院医療費が低いことが判明した。

今後の課題としては、さらに多くのデータを含むデータベースの構築、データベースのユーザビリティを向上させること、データベースから研究成果を生む方法論を普及させることがある。データが存在しても、アクセスできなければ研究はできない。アクセスできても、データハンドリング、研究デザイン、統計解析ができなければ、研究成果は生まれない。

パネリスト講演2

北海道大学病院地域医療指導医支援センター センター長 准教授 藤森研司の画像

レセプトデータベース(NDB)の現状とその活用に対する課題

北海道大学病院 地域医療指導医支援センター
センター長、准教授
藤森 研司

現在、急性期はDPC、慢性期は医療区分という形でおおよその患者像が捉えられるようになっている。外来、調剤、ケアミックスの部分も、電子レセプトを使えば医療内容が詳細に把握できる。電子レセプトでは、保険者、医療機関、処方箋発行元、入院・外来の別などの基本情報のほか、行為、薬剤、医療材料といった医療内容が数量、回数、実施日まで分かる。ただしDPCとは異なり、傷病名があいまいで分析が難しい面もある。レセプトのメリットは、ほぼすべての医療機関が義務化であり、慢性期、外来、調剤のデータもあり、患者連結も可能であること。デメリットとしては、患者郵便番号を含まないため患者の移動がつかみにくい点などが挙げられる。

我々は電子レセプトを地域医療計画に活用すべく取り組んでいる。その地域でできることとできないこと、ニーズや受療動向、連携などを分析することで、適切な医療提供水準、患者移動支援、地域内・地域間の最適化、介護との関係性などの議論に役立てられる。実名ベースでの地域データベースの構築も検討課題である。

北海道庁と共同で分析事業を行っている。PCI(冠動脈形成術)の需要と供給の分析では患者の所在が人口比例しているのに対し、医療機関は都市部に集約していることが分かった。地域住民の受療行為を数値化することも可能である。このようにして、それぞれの医療行為に対する医療機関の所在の在り方を検討している。患者の移動は大変重要な情報だが、日本のレセプトの約半数は患者所在地が不明なのが課題と言える。レセプトデータは患者単位での連結が可能なため、不正確なアンケートに頼ることなく、医療機関の地域連携も数値で把握することができる。また、胃がん予防のためのピロリ菌除菌に関するコホート研究も行っている。

このように、電子レセプトからはほぼすべての医療機関が見えてくる。日別の医療内容も分かり、患者連結も可能なため地域の医療提供状況が把握できる。電子レセプトを独自に集めるのは困難なため、NDBには期待する。ただ現状では利用のハードルが非常に高く、オンサイト利用やリモート接続による積極的な開示が望まれる。真に公益性の高い研究に審査の優先度を上げていただきたく、公募型の研究もあって然るべきだろう。今後の課金スキームにも注目したい。

パネリスト講演3

産業医科大学公衆衛生学 教授 松田晋哉の画像

地域医療再生に向けたNDB・DPCデータ活用の課題

産業医科大学 医学部 公衆衛生学教室 教授
松田 晋哉

DPCとNDBが使えるようになったが、両者の特性は異なる。DPCは個別の医療機関の名前と実績が分かるが急性期医療に限られる。一方、NDBはすべての医療機関のレセプトを集めているが個別の医療機関は分からない。この2つの特性に、さまざまな分析を加味しながら、領域ごとの自医療圏における医療提供体制の評価と課題抽出を行っている。この結果については、関係者との議論を経て具体案と実行計画に移し、医療介護計画に反映すべくマニュアル化を進めている。

具体例として、福岡県の京築医療圏について説明する。DPCでは主要診断群が把握できる。京築医療圏には小波瀬病院と新行橋病院の2つのDPC病院があり、救急領域では2病院ともほぼ全領域をカバーしていることが分かる。しかし、これにNDBを重ね合わせると、京築医療圏の患者のうち半数がその医療圏で医療を受け、残りの半数は北九州医療圏、大分県北部医療圏に出ている、つまり救急が自己完結できていないと見ることができる。再度DPCを見ると、京築医療圏の平均搬送距離は全体で12.5km、小児に至っては18.7km。福岡・糸島医療圏ではそれぞれ5.4kmと8.1km。変動係数を見ても、ほぼ定常的に長い距離を搬送されていることが分かる。地図の上で商圏分析を行うと新行橋病院を移転させればアクセスが改善されるが、民間病院なので難しい。しかし、建替時に地域全体の厚生水準を向上させるためのアドバイスや提案はできるだろう。

その他分析において、この医療圏は救急医療に問題があるもののほぼ自己完結していることがわかる。ただこの地域は一般病床過剰地域であり、恐らく提供しているサービスと地域住民の必要としているサービスの間にミスマッチがあろうことが推測される。そうしたことを明らかにしながら地域医療を推進する必要がある。

この地域の人口は減少の一途をたどるため、介護を担うケアワーカーが足りなくなる。傷病別の推計では外来が減り、肺炎などが著しく増加するが、地域医療計画には含まれていない。地域ではこの肺炎の患者をどう見るか、また、療養病床を確保するために在院日数を短縮しなければまかなえなくなることも推察され、在宅医療の展開と合わせて課題となる。

DPCとNDB、介護レセプトにより、医療計画、介護保険計画は大きく変わるだろう。各地域の優先課題が分かるようになり、ベッド単位での人材の推定もできる。データに基づく議論が可能になる。しかし、こうしたデータを活用する人材をどう育成するかが私たちに課せられた大きな命題と言える。

パネリスト講演4

京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻健康情報学分野 教授 中山健夫の画像

商用医療データベースJMDCによる疫学研究の成果と課題

京都大学大学院 医学研究科
社会健康医学系専攻 健康情報学分野 教授
中山 健夫

医療データベースにたどり着いた背景には、地域医療の再構築、医療費の適正化、加えて医薬品安全対策の流れがある。薬害肝炎事件の最終提言(2013年)には、電子レセプト等のデータベースの活用と、それに伴う薬剤疫学的な評価基盤の整備について明言されている。さらに、個人識別子などを用いて電子カルテ等のデータへのリンクを可能とし、高度な分析への活用を可能にする検討や、マイナンバーの議論も行うべきと書かれている。医薬品リスク管理計画(RMP)にも、医療情報データベースを活用した薬剤疫学的な手法といった文言が多々見受けられる。
日本医療データセンター(JMDC)には、複数の健保組合に集まる医科入院、外来、調剤の各レセプトが実名の状態で集約される。その後、個人情報を削除し、データベース化される。レセプトの全項目の標準化が可能な辞書の機能が特長と言える。
医療品安全に関するエビデンス診療ギャップについて紹介する。診療ガイドラインにおける推奨内容が、どのくらい現場で実践されているかを検証した。ステロイドの長期使用者に対し骨粗鬆症薬の予防投与がどれだけ実施されているか検証した結果、わずかに23%という結果となった。臨床試験で確立し、診療ガイドラインで推奨されているエビデンスが、現場の医療の質を高めるために十分使われていないという新たなエビデンスと言える。次に、麦角系ドパミンアゴニストと心弁膜症の関係。カベルゴリンとペルゴリドの添付文書には、2007年より心エコー検査の実施について記載されているが、その実施状況は07年以前は7.8%だったのに対し、改訂後は27.9%に増えたことが分かった。ただし、未だに患者の70%以上で実施されていない状況。安全性情報がより診療現場で活かされる必要があると言える。
データベースによる疫学研究の方法論的課題について。今後、データベースがさらに幅広く利用できるようになった際、明確な仮説が必ずしも事前に設定されていない観察研究の宝庫になってしまう可能性がある。多重比較やサブグループ解析でどこかに統計的有利なものが出てくる可能性については海外でも懸念されてる通り。その結果、臨床試験以上に出版バイアスや、アウトカム報告バイアスが生じる可能性があるかもしれない。観察研究の事前登録については海外でも活発に議論されており、制約が厳しすぎて観察研究の自由度が損なわれることの懸念も強く、結論は出ていない。厚生労働省の有識者会議では、疫学研究に関する倫理指針を遵守したうえで活用されるべきと報告されており、これらを踏まえ、現在PDMAが中心となり、薬剤疫学研究の実施に関するガイドライン案が作成されている。その成果も踏まえて、事前の倫理審査についてもさらに議論が必要だろう。

パネリスト講演5

東京大学大学院医学系研究科 医療品質評価学講座 准教授 宮田裕章

National Clinical Databaseが目指す方向と課題

東京大学大学院 医学系研究科
医療品質評価学講座 准教授
宮田 裕章

外科学会データベース(NCD)は、臨床学会が中心となって進めているデータベースで、その特長には、臨床現場主導で推進していること、専門医制度と連携したアウトカム指向のデータベースであることが挙げられる。これまでの日本の医療は、構造、過程、成果で医療の質を見た場合、構造中心に考えられていた。これからは、短期結果だけでなく中長期結果やQOLを踏まえた成果、およびエビデンスで証明された過程の組み合わせで医療の質を改善していく必要がある。

一般社団法人NCDは、2000年に心臓血管外科領域に始まり、消化器外科専門医、外科専門医が合流し、現在は内科領域も含めて総合的な臨床データベースとなっている。参加施設は約3,900施設で300万症例が集積されている。臨床現場と連携し、リアルタイムで行われているのが大きな特長。一症例につき50〜300項目で構成され、例えば術前リスクを入力することで患者の死亡予測発生率や合併症発生率などが算出でき、インフォームドコンセントや術前カンファレンスに活用できる。もっとも重要なのは、データを積み重ねることによって、各施設の強みと弱みを抽出し、医療の質改善に寄与するような取り組みを行うことができること。先行して取り組みを始めた心臓外科領域の参加施設では治療成績が向上した。現在は循環器領域でも、治療適応を含め総合戦略を考えていただけるような取り組みを行っている。

地域医療にNCDが貢献できる点もある。高度な患者は県をまたいで治療を行うが、一方で救急搬送緊急手術は自分では病院を選ぶことができない。都道府県ごとに臨床データを分析した結果、救急搬送における標準化死亡率に格差があることが分かった。地域での治療成績向上のための連携を議論する必要がある。広島県では高度治療を行う病院を1桁台までに絞り込む、広島市内では4病院で治療を分担し個々の集積性を高めるといった取り組みも進んでいる。

エビデンスにどう貢献していくか。NCDでは目的別に個々のエビデンスに関するデータを集めている。既に活用している例として、胸部大動脈瘤に対するステントグラフトシステムの開発がある。質の高いデータを約1/10のコストで集めることができ、PMDAに承認を得られた。海外では、単一のRCTだけでなくリアルワールドを把握して総合的なデータを分析した、CAGBとPCIの比較事例もある。乳がんはガイドラインで医療の質を見ることが多いが、今後はデータに基づき、ガイドラインに止まらない形で医療の質をはかることになるだろう。臨床データベースでは、このような次世代型Evidence Based Medicineが活用されていくものと考える。

パネリスト講演6

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)安全第一部長 渡邊伸一の画像

医療情報データベース基盤整備事業の現状と今後の課題

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)
安全第一部長
渡邊 伸一

PMDAは厚生労働省とともに、主に医薬品の安全対策に使用するためのデータベースを構築している。医療情報データベース基盤整備事業は、薬害肝炎の再発防止検討会での提言を受け、厚労省で1年間に渡り検討会を開催、平成23年度から予算化された。

これまでは、薬事法により義務づけられている製薬企業の副作用報告をもとに安全対策を講じてきたが、これには限界がある。医薬品の投与人数が把握できない、副作用発生頻度の比較ができない、原疾患と副作用の鑑別が難しい、医薬関係者が報告しなければ副作用の存在自体が分からないゆえんである。医療情報データベースによれば、同種同効薬との副作用発現頻度の比較、原疾患による症状発現との比較、安全対策の効果の検証ができる。米国FDAや欧州でもデータベース構築の動きがある。FDAは、ダビガドランの重篤出血リスクについてデータベースによる分析を行い、他剤に比較してリスクは高まらないという結果を発表している。

本事業では、病院のレセプト、電子カルテ、オーダリングデータ、検査データを活用して分析を行う。協力いただいているのは10拠点で、臨床検査データも活用できる点が特長と言える。病院のデータ活用にあたっては、患者の氏名や住所は削除し、実患者ID も変換する。原則として統計データの利活用となるが、協力医療機関に了承を得た場合は個票データも活用できるようなシステムとなっている。

平成25年度までに10拠点のデータベースを整備、26〜27年度は試行期間として、データ蓄積などを行い、28年度からの本格運用を目指している。推進検討会の議論では、患者のデータはもちろん、医療関係者の個人情報にも留意すべき、研究者の創意工夫を阻害しないようにすることも重要、将来的には製薬企業も利活用できるようにするべきといった意見をいただいている。試行期間においては、データ特性の把握、病名、検査値などの項目を踏まえたバリデーションの実施、分析手法ガイドラインの策定、試行期間終了後の利活用の枠組みなどを検討していく必要がある。協力医療機関の応募条件にも記載しているように、一定の条件下で製薬企業等も利活用できるよう整備していく予定。

パネルディスカッション

パネルディスカッションの様子の画像

予定時間を超えて80分に及んだパネルディスカッションでは、まずそれぞれのデータがもつ課題と今後の方向性に関する質問が、伏見座長より各講演者に投げかけられた。データがもつ複雑さ、官学連携の重要性、オンサイトなど情報開示の方法、個人情報保護をはじめとする倫理的問題、データをハンドリングするための人材育成など、多彩なテーマについて意見交換がなされ、将来の利活用のための課題が明確にされた。その後、会場からは6名の方より質問や意見をいただいた。質問は、大学、病院、製薬企業、情報関連協議会など各方面から発せられ、医療関連データベースに対する関心の高さがうかがわれた。各データベースの最新情報により、今後の医療の質向上への期待が示された一方で、官、学、あるいは民も含めた形でのデータマネジメントのスキーム構築推進が重要であることが浮き彫りとなった。