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シンポジウム

医研シンポジウム20192040年問題に備える−豊かな長寿社会を将来世代に引き継ぐ−
 

シンポジウムのようす 日本は2040年頃に高齢人口のピークを迎えます。現状のままでは労働者人口が大幅に減少し、貧困の拡大や社会保障制度も危機的な状況を招いてしまうかもしれません。そうならないためには、子育て支援の充実や健康寿命の延伸、雇用の促進、非正規雇用者の正社員化、そして「互助」の仕組みづくりなどが必要とされます。

平日の開催にもかかわらず全国から大勢の方にご参加いただいた本シンポジウムでは、雇用、医療、福祉の各エキスパートを招いての講演、および厚生労働省、地方自治体からのショートスピーチ、さらにはパネルディスカッションを通じて、課題の深掘りを図り、将来展望について論じ合いました。

事務局編集による座長基調講演および各パネリスト講演の抄録は次の通りです。

※講演録は、機関誌『医療と社会』(Vol.29,No.4 2020年2月発刊)に掲載しています。

開催概要

日 時
2019年9月13日(金)13:30〜17:00
会 場
全社協・灘尾ホール
東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビルLB階
主 催
公益財団法人医療科学研究所
後 援
厚生労働省

プログラム

開会挨拶 公益財団法人医療科学研究所理事長 江利川 毅
来賓挨拶 厚生労働省政策統括官(総合政策担当) 伊原 和人
座長基調講演 日本私立学校振興・共済事業団理事長、前慶應義塾塾長 清家  篤
講演 東京大学社会科学研究所教授 玄田 有史
一橋大学国際・公共政策大学院教授 井伊 雅子
中央大学法学部教授 宮本 太郎
ショートスピーチ 厚生労働省政策統括官(総合政策担当) 伊原 和人
高知県知事、全国知事会社会保障常任委員会委員長 尾﨑 正直
パネル
ディスカッション
   
閉会挨拶 公益財団法人医療科学研究所専務理事 戸田 健二

(敬称略)

座長基調講演

清家 篤氏の写真

2040年問題に備える

日本私立学校振興・共済事業団 理事長/前 慶應義塾 塾長
清家 篤

今、日本は世界に類を見ない高齢化を体験しつつある。2019年の日本の高齢化率は世界でもっとも高い28%で、2040年には35%、さらに2060年には人口の40%が65歳以上の高齢者となる。また、高齢化の速度も早く、深くなる。大きな人口のかたまりとなっているのは、団塊世代(1947〜49年生)、団塊ジュニア世代(1971〜74年生)だが、団塊三世による人口増加はなかった。従って、団塊ジュニアが高齢化しても下支えがないまま2040年を迎えることになる。

2040年問題の課題のひとつは、労働力人口の減少である。2017年に6,720万人いた労働力人口は、このまま手を打たなければ2040年に5,500万人を割り込むことが予測される。労働者が減れば生産や消費も減少し、社会保障制度の持続可能性も低下する。もうひとつ懸念されるのは、団塊ジュニア世代が貧しい状態で高齢化するかもしれないということだ。バブル経済の崩壊と就職氷河期の到来により、非正規での就職を余儀なくされ、今もって非正規の方が少なくないのが団塊ジュニア世代の特徴である。

そこで、支え手を増やすことが必要となる。少なくとも希望出生率1.8が実現できるよう、子育て支援の充実や働き方改革の実現が求められる。また、女性や高齢者の就労促進も重要で、これにより2040年の労働力人口はおよそ6,200万人規模を維持できるとされる。そして、団塊ジュニア世代への人的資本投資(正社員雇用、教育・訓練支援)と老後保障充実(厚生年金加入)をできるだけ速やかに行うことが重要と考える。

第4次産業革命の活用も期待される。高齢者の就労促進や介護離職リスクの軽減のためにも、医学・生命科学の進歩によって健康寿命を伸ばす施策に期待したい。労働力制約を克服するためには、AI・自律的ロボットなどで生産性向上を図る。これにより賃金上昇や税・社会保険料の収入増も可能になる。また、AIとビッグデータ活用による医療の生産性向上や、介護ロボットなどによる介護の生産性向上も図れるはずだ。

地域社会をどう支えていくかという課題も大きい。ありとあらゆる行政サービスをひとつの自治体で提供するのは難しくなるため、各自治体が互いに連携し合い、それぞれの強みを活かしたサービス提供体制を築くことが必要。また、ITの活用による行政の効率化も重要で、育児や介護、相談業務などは地域住民が相互間でサービスを提供し合う「互助」も必要となる。一方、高齢者の絶対数が急増する東京などの都市圏では、広域で介護を支えるしくみづくりも急務だ。

2040年問題に対しては、長期的視点に立って今から備えなくてはならない。そのとき、最終的に何をするのか決めるのは「国民」に他ならない。何が今、より大切なことなのか、それを考えるのも国民だ。そして、福沢諭吉が唱えた「奴雁(※)」のように、目先のことにだけではなく、歴史を顧み、現状を冷静に分析し、将来のために今をすべきかを考えなければならない。」のように、目先のことにだけではなく、歴史を顧み、現状を冷静に分析し、将来のために今をすべきかを考えなければならない。

※奴雁(どがん):雁が群れで餌をついばんでいるとき、外敵に襲われないよう首を高くして四方を伺う一羽の雁のこと。

講演1

玄田 有史氏の写真

2040年問題と雇用面から今出来ること

東京大学 社会科学研究所 教授
玄田 有史

2040年問題に備え、就職氷河期世代に関わる雇用問題を中心に考えていきたい。7040問題(同居する70歳代の親と40歳代の子が困窮・孤立する問題)、8050問題(上記の状態に80歳代の親と50歳代の子が陥る問題)という言葉は、以前から福祉関係者では使われていたが、今や語られる機会が広がっている。実際、就職氷河期世代には、仕事がなかったり、雇用が不安定であったり、貧困状態にあるといった複合的な問題があり、それを解決しなければ明るい2040年は迎えられない。

政府はこの3年間で、氷河期世代の30万人を正規雇用化する目標を掲げている。それを実現するポイントはまず既婚女性にある。ひきこもりや中高年のフリーターに焦点が当たりがちだが、現在パートやアルバイトとして働いている既婚女性を正社員化できるかどうかが、正社員化促進のカギとなる。固定的な役割・分業意識を解消し、性別にとらわれない、一人ひとりがいきいきと生きられる多様な社会づくりという、永年の課題に決着がつけられるかどうかが、2040年問題解決の本丸であることは押さえておきたい。

2つ目に、中高年のひきこもりやニートの問題を挙げる。政府は、2003年の若者自立・挑戦プラン、その後の若年雇用対策、2016年の若者雇用促進法改正などの対策が行ってきたが、様々な理由からその対策が功を奏しなかった層が今も存在している。就職促進や自立支援には、今後AI(人工知能)などの技術革新も期待ができるが、現在はまだ人手と手間暇がかかる。さらには大胆な対策も必要になる。例えば、氷河期世代向けの雇用創出基金事業等で、新たな支援プログラムを開発するなど、社会実験として思い切って取り組んでいくような試みも必要だ。

就職氷河期世代の問題は人口のサイズが大きく、助成金事業だけでは限界もあり、過去に実施した雇用促進税制などで、大規模な雇用を実現することも今後検討に値するだろう。これらの制度には批判もあるだろうが、3年間という限られた時間のもと、大規模な人たちに一定の雇用機会を創出するためには、期間限定の就職氷河期世代版の雇用促進税制等を考えても、おかしくない。

孤立無業(SNEP:Solitary Non-Employed Persons)は、ふだんずっと一人か、一緒にいるのが家族以外にない未婚無業者を指す。SNEPは、かつては若年層が多かったが、今は30〜40代の氷河期世代が中心だ。SNEPには家族とのみ交流がある人が大部分なため、自分に理解がある親や家族と一緒に働ける機会(親子ペア就業)があれば、雇用問題の改善につながる可能性はある。

最後に、氷河期無業者も担い手の一人となれる総合的地域福祉社会をつくっていくことが、2040年問題を解決する糸口につながるだろう。

講演2

井伊 雅子氏の写真

地域住民の健康を支える制度とは

一橋大学 国際・公共政策大学院 教授
井伊 雅子

2040年問題を医療制度の面から考える。日本の医療制度を国際比較すると、その満足度はそれほど高くないという調査結果がある。私の調査では、@日本の高齢者の満足度は高い傾向にある、A日本の医療制度を評価できない (わからない) という人が16.7%(先進国は1〜2%)もいた、B過去1年間に一度も医師の診療を受けていない人は26.2%(先進国は10〜15%)もいた、という結果が得られた。日本の年間の医師受診回数は12.9回/人で、OECD平均の6.6回/人を大きく上回っているが、よくよく分析すると、医師を受診しない人はまったく受診しないことが分かった。よく言われる過剰医療だけでなく、過少医療も問題である。

日本の医療制度はフリーアクセスで、患者の判断で好きな医療機関を受診できる。一方、英国をはじめ多くの国では、あらかじめ登録し今までも継続して受診しているGP(General Practitioner:家庭医)に診てもらうゲートキーピングだ。どちらがよいという話ではないが、フリーアクセスの場合、医師の責任の所在が不明確である点がこれまで見過ごされてきたと言える。「最近、あの患者さんが来なくなった」と医師が気になったとしても、日本の場合は自己責任。登録制度のある国々では、登録されている患者の健康維持・増進についてGP(家庭医)も責任を分担する。

英国の成果払い制度は、生活習慣病だけでなく、発達障害、認知症、うつ病などにも対応している。生まれたときから登録した家庭医に診てもらい、引っ越した場合などでもカルテが自動的に移るしくみになっているため、プライマリ・ケアの研究が進んでおり、実際の政策にも活かされている。「地域を診る」ために、多くの国で患者登録制度や人頭払い方式が導入されている。コミュニティ形成のためには、支払い制度と結びつけることも重要だ。

高齢化社会に向けて、総合的な政策が必要と言われているが、小児科にも総合的な視点が不可欠。日本では小児のプライマリ・ケアをカバーする環境が相当不足しており、安心して産み育てるための相談の場が必要と考える。

世界を見渡すと、医療の自己負担が原則無料という国は少なくない。しかし例えば英国が謳っているのは、正確には「有効な治療は全て無料」ということ。従って、同国ではエビデンスの重要性が大きく問われ、費用対効果の研究が進んでいる。

2040年問題に備え、日本には総合的に患者を診ることができる専門医が必要。その対象は高齢者だけでなく、小児も含む全世代であるべき。そんななか、19の基本領域のひとつである総合診療専門医が標榜科にすらなっていない点については、大いに議論されるべきだろう。

講演3

宮本 太郎氏の写真

2040年に備える福祉ビジョン
「元気人口」をどう増やすのか

中央大学 法学部 教授
宮本 太郎

2040年問題を福祉の面から考える。2040年という峰には、@世代間、A地域間、B財源と支出、という3つの不均衡が極大化する。

2040年に高齢者は3900万人になる一方、現役世代は2015年から1,700万人減少し、現役:高齢世代の比率は、1.5:1になる。加えて単身、低所得が多い就職氷河期世代が高齢化する。他方で支える側の現役世代はより非力となる。「新しい生活困難層」が増えていくなか、現役〜高齢世代を通して、「元気人口」をどれだけ増やせるかが勝負になると考えている。

地方では高齢世代の人口は減っていくが、現役世代はそれに輪をかけて減少する。その一方、2040年の東京の人口は、2015年の1,351万よりむしろ増加するが、東京では「高齢世代の高齢化」が進み、ここでも支え合いは困難になる。2040年の社会保障給付は190兆円と予想されているが、高齢世代が今以上に生活困難に陥ることになれば、それでは収まらない可能性もある。

これまでの制度は行政、会社、家族という三重構造をとってきた。そこでは男性稼ぎ主が家族を扶養することを支援してきた。そのため、相当の税を社会保険に投入し、皆保険、皆年金を実現してきた。男性の稼ぎ主が定年や病気などで家族を養いきれなくなった場合、社会保険が年功賃金と連動する形でその三重構造は完結できた。ところが、雇用(働ける人の世界)と福祉(働けない人の世界)の狭間には、「新しい生活困難層」(低所得不安定雇用層、ひとり親世帯、低年金単身高齢者、ひきこもり)が増えている。これまでの日本の制度では、三重構造を前提に、働けない人たちを絞り込んで生活保護などの福祉給付を行ってきた。保護することが目標なので縦割り行政が適合していたが、様々な要因が絡み合って生じた生活困難層を元気にするためには、縦割りではなく、より包括的な支援が必要だ。自治体の二重の縦割り制度(福祉の縦割り、雇用と福祉の分断)を取り払い、総合的に支援していかなくてはならない。

中小企業を含め日本の雇用は、何でもそつなくこなすジェネラリストを求める傾向にある。結果として雇用のハードルを高め、人手不足の一方で、ひきこもりなど働けない人の増大も招くという皮肉な事態になっている。もっと働き方を多様化し、雇用の間口を広げることが必要だ。

地域において縦割りを超えた包括的な支援ができたら、自治体のやりがいも増していくだろう。超高齢社会で元気人口を増やすという場合、元気という意味は、必ずしもピンピン健康であることとイコールではない。ピンピンコロリという言葉があるが、これからの私たちはピンピンとコロリの間の長い時間を生きる。その時間を輝かせることが大事だ。

ショートスピーチ1

伊原 和人氏の写真

2040年を見据えた社会保障の課題と展望
―地域共生社会の実現に向けて―

厚生労働省政策統括官(総合政策担当) 伊原 和人

厚生労働省では、2040年を見据えて、昨年春からポスト社会保障・税一体改革の議論を始めている。人口動態を見ると、高齢者人口の伸びは2025年に向けて一気に増加した後は緩やかになるが、既にマイナスに転じている生産年齢人口は2025年以降、さらに減少が加速する。社会保障費について見ると、現在の120兆円が2040年には190兆円となるが、あくまで名目値であり、実質的な増加分を示すGDPに対する割合は2.5%増と約1割強の増加にとどまる見通し。これを過去のトレンドと比較すると2000年度から2015年度の15年間で6.8%ポイント上昇したのに対し、2025年度から2040年度の15年間では2.1〜2.2%ポイントの増と1/3程度の上昇に落ち着くと見込まれている。こうした人口動態や社会保障給付費の見通しを踏まえると、2000年からこれまでの取組みと2025年以降の取組みは自ずと異なってくることが理解できよう。

現在約6,580万人いる就業者数は、2040年には5,650万人程度になる。これを増やすためには、高齢者の就労や社会参加を進めるほか、健康寿命の延伸が重要。また、現在、医療・福祉分野で働いている人は総就業者の8人に1人(12.5%)程度だが、これが2040年には5人に1人(19%)程度となる。医療・福祉分野の生産性を向上させ、もっと少ない人手でも回っていく産業へと転換していかなければならない。

そのための取組みとしては、@多様な就労・社会参加、A健康寿命の延伸、B医療・福祉サービス改革がある。@については、高齢者雇用をもっと進めていくとともに、就職氷河期世代の支援が必要。ひきこもりの方が地域社会とつながっていく機会を作っていくことも重要なテーマ。Aについては、健康寿命を2040年までに男女共に3年以上延ばし、75歳以上とすることを目指す。Bについては、医療・福祉分野の人手不足への対応として、ロボット、AI、ICT、センサーの徹底活用などにより生産性向上を図っていく。

2040年までの75歳以上、65歳以上、生産年齢人口の増加率の推移を見ると、生産年齢人口は一貫して減少するが、65歳以上の増加率はこの先、2040年まで前年比1%を超えることはない。75歳以上の増加率は団塊世代が75歳となる2022〜24年の3年間で一時的に大きく伸びるが、その後は小さくなり、2030年代にはマイナスになる。したがって、社会保障の財政問題という意味では、当面一時的に増加する2022年〜24年の3年間をどう乗り越えていくかが課題となる。

最後に、地域共生社会について。これまで地域包括ケアというアプローチで高齢者を中心に取り組んできたが、今後は、地域包括ケア、障害者自立支援、生活困窮者自立支援といった形で種々分かれている制度を超えて、全年齢・全対象型地域包括支援として現場で運用していくことが望ましい。来年の介護保険法改正に合わせ、地域独自の地域共生社会づくりがよりやりやすくなるような政策を進めていきたい。

ショートスピーチ2

尾﨑 正直氏の写真

2040年問題に備える
─高知県の取り組み─

高知県知事/全国知事会社会保障常任委員会 委員長
尾﨑 正直

高知県は、2040年に経験するかもしれないことを既に経験しつつある。高知県の出生率は昭和50年代から2を下回るようになり、現在は高齢者人口が若者の約2倍となっている。平成2年には人口が自然減に転じた。人口減少に伴い経済規模が縮小し、特に中山間地域から若者が流出するなど、負のスパイラルに陥っている。これを克服するためには、人口の増加または減少率の緩和、若者の定着・増加(地産外商による雇用創出、若者の県外流出防止と県外からの移住者増加)、出生率の向上(出生率が高い傾向にある中山間地域の若者増加、少子化対策の抜本強化)が必要だ。

地産外商については、新たな成長の種をまき、事業化、事業展開、クラスター化というステップで取り組んできた。高知県の園芸農業の生産は全国でも抜きんでているが、こうした第一次産業を起点に食品・観光産業などを振興させるとともに、課題を逆手にとった解決型産業の創出を進めている。また、IT・コンテンツ関連産業の集積に力を入れている。「農業×デジタル」といった掛け合わせによる生産性向上を目指しており、例えば、大気のベストミックスや植物の生理・生態をリアルタイムで把握する技術などがある。中山間地まで経済効果を波及させる取り組みとしては、廃校跡地などを活用した集落活動センターを52箇所に設置。加工品づくり、シェアオフィス、福祉の場などとして活用されている。

誰もが安心して住み続けられるためには、「高知版地域包括ケアシステム」の構築が必須。地域福祉の拠点として280箇所に「あったかふれあいセンター」を設置し、地域での支え合いができるよう取り組んでいる。また、ドクターヘリによる救急医療の提供や、遠隔地への訪問看護の体制も整えている。

今後の課題は、それぞれのネットワークをいかにしてつなぎ合わせ、システム化できるか。高知県では特別な講座を設けてかかりつけ医の育成を行っている。彼らにはよきゲートケーパーになってもらいたいと考えている。

全国知事会では、2018年7月に「健康立国宣言」を決議し、各都道府県の先進事例の横展開を図るべく、現在、22のワーキングチームで互いに学び合っている。市町村を超えた連携を図っていくことで、領域全体の包括ケアシステムが構築されるはず。国や有識者の方々とも連携し、健康立国を実現していきたい。

パネルディスカッション

パネルディスカッションのようす パネルディスカッションでは、地方における若者の自立支援、ケアマネジメントの在り方、社会的処方箋、雇用創出基金事業、縦割りの排除、デジタル技術など、多岐にわたる提言や事例紹介が各パネリストからなされました。清家座長からは、年齢を基準としたしくみや政策の限界について言及され、特に15〜64歳人口を「生産年齢人口」と呼ぶことを止めてはどうか、と指摘。宮本先生からは、同年齢集団から一度離脱したら元に戻りにくい、都市においては定年したら地域デビューしにくいといった社会構造そのものを問題視する意見がなされ、それを受けて、玄田先生は、地域に希望を持ち、その希望に向けて活動する「希望活動人口」の重要性についての言及がありました。また、井伊先生からは、制度改革の議論をするうえで、ナッジ(強制ではなく自発的な行動を促す手法)は本質的な解決策にはならないという指摘もありました。

会場からは医療従事者や新聞社から質問がありました。最後に、WHO(世界保健機関)執行理事の中谷比呂樹先生から、海外生活経験者や国内の外国人による日本の医療の評価など、インバウンド/アウトバウンドの考え方も取り込めればというご意見をいただきました。