公益財団法人医療科学研究所は、2021年10月8日(金)「認知症予防の最前線−認知症の一次、二次、三次予防の重要性−」をテーマに医研シンポジウム2021を開催いたします。
本シンポジウムは、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、会場開催(全社協・灘尾ホール)とオンラインシステムを使用したWeb配信で同時開催いたします。なお、新型コロナウイルス感染拡大状況により、完全オンライン開催となる場合がありますことご承知おきください。
<開催趣旨>
我が国の65歳以上人口(2020年9月現在)は、3617万人(総人口の28.7%)であり、0歳時点での平均余命を表す平均寿命は男性81.64歳、女性87.74歳、65歳時点での平均余命では男性20.05年、女性24.91年に及ぶなど、男女とも90年近く生きられるようになりました。高齢化は年々進んでいますが、一方で、高齢者の体力は20年前と比較して5〜10年ぐらい若返っているとの調査結果もあります。しかし、高齢化の進展に伴い、認知症を発症する人が急速に増えていくことが見込まれており、高齢者や家族にとって大きな不安の一つとなっています。
社会をあげて認知症への対応が求められる中で、令和元年6月に政府がとりまとめた「認知症施策推進大綱」では、「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していくこととされています。いずれも重要な取組ですが、この度の医研シンポジウムでは掘り下げた議論を期すために、「医療科学」的見地から「予防」の重要性に焦点を当てることとし、それぞれの第一人者のパネリストの先生方をお呼びすることといたしました。
先生方の発表内容も、「予防」の重要性を多角的に捉えられるものとしています。まず、地域高齢者1万人からなる大規模認知症コホート研究の成果から、認知症の危険因子や認知症の人の将来推計等をご発表いただきます。その上で、認知症の発症遅延や発症リスク低減に向けた「一次予防」の取組の重要性についてご発表いただきます。また、認知症を発症したとしても、早期発見・早期治療(二次予防)を目指した臨床研究の現状と展望について、さらに認知症が進行していくステージでも、いかにして重症化予防や機能維持を図り、BPSD(行動心理症状)の予防・対応につなげるかの「三次予防」の重要性について、それぞれご発表いただく予定です。
認知症についての研究、あるいは治療薬の開発は日進月歩です。関係者やご関心のある方々に最新の貴重な情報をご提供するとともに、このシンポジウムを通じて認知症への政策対応が一層深められることを期待しています。
パネルディスカッション座長
認知症予防財団会長
日本老年精神医学会前理事長
順天堂大学医学部名誉教授
アルツクリニック東京院長
新井平伊
座長基調講演 | 認知症予防財団会長/日本老年精神医学会前理事長/ 順天堂大学医学部名誉教授/アルツクリニック東京院長 |
新井平伊 |
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演者・ パネリスト (発表順) |
九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野教授/ 九州大学大学院医学研究院附属総合コホートセンター教授(兼任) |
二宮利治 |
国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター センター長 | 島田裕之 | |
東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻神経病理学分野教授/ 国立精神・神経医療研究センター神経研究所所長 |
岩坪 威 | |
東京都健康長寿医療センター研究所副所長 | 粟田主一 | |
国立長寿医療研究センター理事長 | 荒井秀典 |
(敬称略)
本件に関する問い合わせ先
公益財団法人医療科学研究所
事務局 川村・今上
電話: 03-5563-1791 FAX: 03-5563-1795
E-mail: jimujimu@iken.org