「医薬品流通問題研究プロジェクト報告書」について
公益財団法人 医療科学研究所(理事長:江利川 毅)は、医薬品流通に関する様々な問題について、プロジェクトチームを立ち上げて研究をしてまいりました。このたび、その成果についての報告書がまとまり、医療科学研究所ウェブサイト上に公開いたしましたので、お知らせします。
<研究の概要>
我が国の医療保険制度において、客観的に公正な医薬品価格が形成され得る適正な医薬品流通の確保は、制度への信頼の確保及び適正な運営のために不可欠であり、これまでも国の責任の下に政府・関連業界一体となった対応が重ねられてきた。しかしながら、医薬品流通の課題は公的な医療保険制度の存在といった制度に起因する問題も大きく、特に製薬企業と医療機関・調剤薬局の間に立つ医薬品卸にシワ寄せが生じている。例えば、購入総額が決定されないまま値引き交渉が行われ、合理的な価格交渉になっておらず、その結果として必須医薬品であっても採算割れの水準に薬価が低下しているものも多く、欠品・供給の中断が起きる事例も多数生じており、国民医療にとって深刻な事態となっている。本プロジェクトは、これまであまり明らかにされてこなかった医薬品卸売業の実態と市場構造をできるだけ明らかにし、特徴や問題点を整理し、それを踏まえて医薬品流通の改善及び薬価制度の在り方について政策的な提言を行うものである。
<プロジェクトメンバー>
- リーダー
- 冨田健司(同志社大学商学部教授)
- サブリーダー
- 和久津尚彦(名古屋市立大学大学院経済学研究科准教授)
- メンバー
- 武田俊彦(元厚生労働省医政局長)
桑原雅毅(未来創研主任研究員) - 特別アドバイザー
- 三村優美子(青山学院大学名誉教授)
- 医療科学研究所
- 江利川 毅(理事長)
松江裕二(専務理事)
川村高紀(事務局長)
本件に関する問い合わせ先
公益財団法人医療科学研究所事務局
TEL 03−5563−1791