医療科学フォーラムの開催について
公益財団法人医療科学研究所では、若手研究者の研究報告や、医研事業の成果発表を行う「医療科学フォーラム」を不定期に開催しております。
今回は、医研の研究助成対象研究の成果報告を行います。以下に開催要項をご案内いたします。
<日時>
2024年11月25日(月)午後6:00~7:30
<報告>
「地域在住高齢者における認知的フレイルと要介護認定、給付費および医療費: 10年間の前向き研究」
陳 三妹先生(広島大学大学院医学系研究科保健学専攻国際保健看護学准教授)
<抄録>
目的:本研究では、地域在住高齢者における認知的フレイルと要介護状態リスク、介護給付費および医療費との関連を明らかにする。
方法:福岡県篠栗町在住の65歳以上の高齢者のうち、ベースライン時点で介護認定を受けておらず、認知症、パーキンソン病、うつ症の既往歴がなく、認知機能正常であった1,597人を解析対象とした。認知的フレイルは、身体的フレイルと認知機能障害(MMSE得点26点未満)が併存する状態と定義した。要介護認定、介護給付費、医療費の匿名化データを用いて10年間追跡を行った。認知的フレイル状態(6群)ごとの新規要支援・要介護認定発生リスクを、コックス比例ハザード回帰分析を用いて推定した。認知的フレイル状態と介護給付費・医療費の関連の検討には、ガンマ回帰モデルを用いた。
結果:新たに要支援・要介護状態と認定された者は488人であった。全ての共変量を調整したモデルで、ロバスト(非身体的フレイル・認知機能障害なし)群と比べて、その他の5群で有意に高いハザード比が観察され(全てのp値<0.05)、このうち認知的フレイル群のハザード比が最も高かった(ハザード比3.84, 95%信頼区間2.46‒5.99)。さらに、ロバスト群と比べて認知的フレイル群で、介護給付費と医療費の累積額は高かった。
結論:認知的フレイルは、要介護状態リスク、介護給付費および医療費が高かった。
<ウェビナー参加お申し込み>
https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_ZodswpYfRwqOzU2-8302Fg
へお申し込みください。お申込みいただいた方には事前配布資料をお送りします。
<この件に関する問い合わせ先>
公益財団法人医療科学研究所事務局
担当:五十嵐、川村
電話:03-5563-1791
メール:jimukyoku@iken.org