公益財団法人 医療科学研究所

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医療科学フォーラムの開催について

公益財団法人医療科学研究所では、若手研究者の研究報告や、医研事業の成果発表を行う「医療科学フォーラム」を不定期に開催しております。
今回は、医研の研究助成対象者に研究報告を行っていただきます。以下に開催要項をご案内いたします。

<日時>
2025年10月20日(月)午後6:00~7:30

<報告>
「準実験デザインを用いた幼児と母親を対象とした小金井市における歯科教育の効果検」
宮部成菜実先生(東京大学大学院医学系研究科保健社会行動学分野博士課程3年)

<抄録>
目的:母子への歯科保健教育の効果検証はこれまで交絡等の対処が不十分だった.本研究ではよりバイアスに対処可能なデザインを用い,子に対する歯科保健行動と母親自身の歯科保健行動への影響を検討した.
方法:小金井市の歯科教育参加親子に参加前後で無記名自記式質問紙調査を実施した.準実験デザインRecurrent Institutional Cycle Design を用い,開始時期をずらして介入群を設定し,群内群間前後比較を用いて内的妥当性の担保に配慮した.主要評価項目は母親自身ならびに子に対する歯科保健行動,自己効力感とし,子に対する歯科保健行動規範意識を効果修飾因子とした.開始時期や測定時期ごとに設定した群の介入前後差に分散分析を行った.
結果:介入前後で子に対する歯科保健行動,自己効力感は有意に改善したが,母親自身の歯科保健行動,自己効力感に有意差はなかった.子に対する歯科保健行動規範意識の高低により効果修飾が有意に見られ,特に低群では自己効力感の改善が認められた.
結論:歯科教育により子に対する歯科保健行動,自己効力感は改善したが,母親自身の歯科保健行動,自己効力感への波及は見られなかった.今後,母親への波及を考えた教育内容を検討する余地がある.また子に対する歯科保健規範意識が強い母親は規範意識に縛られた行動や自己報告バイアスが存在する可能性があり,介入や測定の再検討が必要である.

<参加お申し込み>
https://us06web.zoom.us/meeting/register/GCoOzL5FTeGAdrtacaIsRw
へお申し込みください。参加者には事前配布資料をお送りします。

<この件に関する問い合わせ先>
公益財団法人医療科学研究所事務局
担当:五十嵐、川村
電話:03-5563-1791
メール:jimukyoku@iken.org

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