AI時代における持続性ある社会保障モデル
-医療データとAIが変える医療の未来-

2026年の産官学シンポジウムは、会場およびオンライン配信を通じて、約200名の方々にご参加いただきました。人口減少と医療費増大が進む中、持続可能な社会保障には医療DX、PHR(Personal Health Record)、生成AI活用が不可欠であるとの認識が共有されました。各講演では、PHRを活用した重症化予防や業務効率化、患者行動変容支援の実例が紹介され、予防医療への転換の重要性が示されました。また、AI診断・創薬の急速な進展に対し、日本のデータ基盤整備や制度改革の遅れへの危機感も浮き彫りとなりました。パネルディスカッションでは、健康医療データを患者自身が活用できる環境整備と、AI時代に適応した社会保障モデル再設計の必要性について活発な議論が交わされました。
座長基調講演およびパネリスト講演の要旨は以下よりご覧ください。
※動画公開は6月下旬にホームページにて公開予定。
※講演録は、機関誌『医療と社会』(Vol.36, No.3. 2026年10月)に掲載予定。
シンポジウム概要
プログラム
注)下線のお名前・項目をクリックすると講演要旨をご覧いただけます。
| 開会挨拶 | 公益財団法人医療科学研究所理事長 | 三村 將 |
|---|---|---|
| 来賓挨拶 | 厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官 | 森 真弘 |
| 座長基調講演 | 北里大学大学院薬学研究科教授 | 成川 衛 |
| 講演 | 経済産業省商務・サービスグループヘルスケア産業課長 | 福田 光紀 |
| エーザイ株式会社取締役/PHRサービス事業協会副会長 | 岡田 安史 | |
| アイリス株式会社代表取締役社長/一般社団法人AIセーフティ推進機構代表理事 | 沖山 翔 | |
| 株式会社カケハシ上級執行役員 | 西田 庄吾 | |
| パネルディスカッション | ||
| 質疑応答 | ||
| 閉会挨拶 | 公益財団法人医療科学研究所専務理事 | 松江 裕二 |
(敬称略)
座長基調講演

AI時代における持続性ある社会保障モデル:医療データとAIが変える医療の未来
北里大学大学院薬学研究科教授
成川 衛
現在、日本の人口は減少している上、その速度を上回る速さで生産年齢人口が減少すると見込まれている。一方で、社会保障給付費、国民医療費は増大しており、給付と負担のバランスを考えなければならない。日本の医療を給付と負担という観点から国際的に比較してみると、1) 急性期に限っても平均在院日数が長い、2) 人口あたりの医師数には大差はないが、病床数は多い、3) 外来受診回数が多いという特徴がある。国内の地域差、医療提供体制の継続的な改善についても考える必要がある。
産業構造の観点からみると、過去30年間、実質付加価値額の増加に大きく寄与したのは製造業や保健衛生・社会事業だった。しかし、保健衛生・社会事業の労働生産性は低く、効率的で持続可能な産業構造へ転換していく必要があると言われている。
他方、日本の現状をみると、そういった転換の下地となる力が高いとは言えない状況だ。IMDの世界デジタル競争力ランキングで日本は69カ国中30位程度であり、項目によっては最下位近辺に位置している。次世代医療基盤法がこうした基盤づくりの一助になることが期待されており、医療DXの推進に関する行程表が作られ、法改正も行われている。今後はこれらの基盤を活用して、治療方法の開発や医療現場の効率化を進めていく必要がある。
こうした取り組みの中で重要な役割を果たしうるのが生成AIだ。近年、AI技術を活用したプログラム医療機器の承認が増えており、画像診断の支援をするプログラムが多く、医療効率化の一助となることが期待されている。本日は、AI時代における持続性ある社会保障モデルをテーマに、4名の方の講演、パネルディスカッションを通して議論を深めていきたい。
講演1

PHRの利活用促進に関する取組
経済産業省商務・サービスグループヘルスケア産業課長
福田 光紀
経済産業省は、国民の健康増進、持続可能な社会保障構築への貢献、そして産業育成による経済成長の三つを実現するべく政策に取り組んでいる。今回はPHRの利活用促進に関する事業を紹介したい。
近年、歩数、運動量、食事、睡眠といったライフログデータがウェアラブルデバイス等から取得できるようになっている。加えて、マイナポータルを通じて健診やレセプトの情報を活用する環境も整いつつある。この二つを組み合わせることで様々なユースケースを創出できるのではないかという観点から、経済産業省は令和6年度からユースケース作りの実証事業を始めている。
Welbyの実証事例
医療機関でマイカルテというアプリを活用するよう、患者に推奨していただいた。利用者が血圧、体重、歩数、食事等を記録すると、医療機関からもデータが見える形になっている。次回来院時にはそのデータをみながら診療を行い、自己管理に役立てることができる。この事業により業務時間の短縮、患者から選ばれるといった成果がみられた。
オムロンヘルスケアの実証事例
心不全患者のバイタル変化や自覚症状を元に早期に検知し介入するためのプロジェクトを実施。まず、患者が体重、血圧、心電図、自覚症状を記録し、それを心不全療養指導士や看護師がモニタリングする。危険な兆候があれば外来受診を早めるというような対応が可能である。この結果、利用者は「早期に対応することで心不全の急激な症状悪化を回避できる」といった付加価値を感じていることがわかった。また、心不全増悪低減率の期待値が9.6%であった。単純計算ではあるが、288億円の医療費を効率化することが期待できると試算されている。
こうした事業を通じてわかったのは、医療機関への提供価値がサービス導入・利用に係る負荷を上回ることの重要性だ。特に、アウトカムの向上、オペレーションの改善、そして経営指標の向上といった貢献がポイントになる。令和7年度にはこれらを念頭にユースケースをさらに検討した。
ArteryexとWellmiraの実証事例
介護事業者や家族と連携して高齢者の生活動態をリアルタイムで把握した。医療情報も登録し、受診時に一覧で表示できる。KPIの検証結果をみると、利用者の状態把握および対応判断の補助として一定の有効性が確認された。在宅医療情報連携加算、生産性向上推進体制加算IIの算定に向けた情報共有体制が整備可能であることも確認できた。
阪急阪神の実証事例
心不全の患者がアプリにバイタル情報を入力すると、チャット機能を介して多職種間で情報連携ができる。KPIの検証結果をみると、患者のQOL、利用継続といった点で肯定的な結果が得られた。診療報酬上の加算についてもその意義が検証できている。
今後は関連諸学会と連携し患者アウトカムの向上、業務効率化、重症化予防・再入院防止につながるかの検証を支援すべく、今年度からAMEDのヘルスケアサービス実用化研究事業に新たな分野を設けて行う予定である。
政府の成長戦略の17分野のうち、「創薬・先端医療」のワーキンググループにおいて「ライフログデータ等を活用したヘルスケア関連サービス」にかかる議論が行われている。加えて、内閣官房副長官を議長とする副大臣等会議において「攻めの予防医療」に関する議論も行われている。このような取り組みを通じて、健康投資を増やし、従業員・個人が生涯にわたって健康で活躍できるような仕組み作りができればと考えている。
講演2

PHRが切り拓く「攻めの予防医療」
エーザイ株式会社取締役/PHRサービス事業協会副会長
岡田 安史
PHRサービス事業協会は、2023年7月に設立された国内初のPHRサービス事業者団体である。会員企業は120を超えており、ほぼ全ての産業領域をカバーしている。会員企業に対する調査から、PHRサービスの事業化・マネタイズができていない、高質のサービス提供に必要な良質なデータにアクセスできていないといった課題があることが分かっている。
米国のOpenEvidence社は臨床業務を解決するための生成AIをリリースした。設立からわずか3年で、米国の医師の約4割が毎日利用するまでに普及している。この生成AIはNew England Journal of Medicine、JAMA、診療のガイドライン、FDA、CDCのデータを利用している。良質なデータはあらゆる産業・サービスの在り方を再定義しうるものだ。
一方で、日本の健康医療情報の基盤構築は著しく遅れている。各国の取り組み状況を5段階に区分した資料で見ると、日本は上から3番目のグループに入っている。G7の他6か国は一番上のグループで、中国やインド、ロシアも一番上かその下のグループに入っている。日本と同じグループにいるのはグローバルサウスの国々だ。このような先進諸国との著しい格差は経済安全保障上のリスクを増幅し、国力の低下に繋がりかねない。
ChatGPTがリリースされたのが2022年末で、他の生成AIの登場・進化もあった。しかし、国内の基本方針や法規制は今日の生成AIを前提として設計されていない。米国が競争力で世界をリードし、中国がそれに対抗し、欧州は規制主導で環境を整備するという図式の中で日本がどのような戦略を展開するのかが問われている。
私は、国民皆保険制度下で蓄積されたデータは公共財であるという合意形成を構築することが理想だと考えている。一方でそうした大胆な改革を進めることの困難さも理解している。そこで、国民が自分のデータを活用できる環境、そのデータを事業者が活用してサービスを提供できる環境の整備を早急に行うべきだと提案したい。最も実際的な打ち手はマイナポータルを活用することだろう。
弘前大学副学長の村下公一先生は、弘前市内で大規模住民健診事業を行っている。健診項目は3000項目、対象者は1000人で21年間にわたるという世界に類を見ないデータで、既に80社以上の企業と産学連携が進んでいる。倉敷中央病院では、健診結果から複数の疾患を予測するAIを開発して、生活習慣の改善指導を行っている。これらの取り組みは大いに参考になるだろう。
日本では膨大な健康医療データが日々生まれているにもかかわらず、極めて限定的にしか活用できていない。必要なのは新たにデータを作ることではなく、既存のデータを安全に適切に利用できるようにすることだ。
具体的な予防医療への実践例として糖尿病を取り上げる。糖尿病は重症化すると人工透析が必要になる。PHR導入により行動変容支援、重症化予防ができれば、概算レベルで1000億円程度の医療費削減効果が見込める。7年前の厚労省研究班の報告書では「生涯医療費が減少するとはいえない」ものの、「健康であり続ける期間が長くなることで生産性向上、国家全体の活力の維持が期待できる」とも述べられていた。より巨視的な視点での利益も考える必要がある。
高市総理は所信表明の際、「攻めの予防医療を徹底して健康寿命の延伸を図り、国民が元気に活躍し、社会の担い手となっていただけるよう取り組む」と述べた。超高齢社会を迎える中で、健康寿命を延伸する策、攻めの予防医療に対してもより資源を配分する必要がある。私が提言したいのは「幅広い健康・医療データを国民本人が使える国へ」、「健康を守る予防医療に投資する国へ」という2点である。生成AIの誕生によって世界は一変した。政府は圧倒的なスピードで対応する必要があり、そのために本協会も協力していきたい。
講演3

AI技術と社会の調和
アイリス株式会社代表取締役社長/一般社団法人AIセーフティ推進機構代表理事
沖山 翔
臨床医およびAIの開発者でありユーザーでもあるという立場から直近の事例を紹介したい。私はドクターヘリに乗って救命救急をしたり、本邦の最東端、最南端の離島で医師として勤めたりした経験がある。他の専門職も医療資材もないような現場を経験して、これから格差を埋めるのはAIだろうと思って起業した。
OpenEvidenceサービスが米国では大きなシェアを得て、一般的になっている。2年程前まで、分野によってはAIが人間を超えたという話をしていたが、既に単純な診断競争であれば人間がかなわなくて当然という時代になっている。2025年の4月にNatureに掲載された論文では、AI単独vs人間の専門医vs専門医がAIを使った場合の3群で比較している。直感的には専門医がAIを使った場合に最も優れていると思うが、実際にはAI単独が上回ってしまった。AIの一次回答を見て人間が回答を変更するとむしろ正解率が落ちたということである。加えて、AIが書いたテキストと人間が書いたテキストを盲検下で患者にも評価してもらったところ、評価した8項目のほとんど全てでAIのほうが上回っていた。
半導体の性能は我々の想像をはるかに超えて向上している。生成AIに追い抜かされそうだと思っていたら、いつの間にか抜き去られていたという時代かもしれない。博士レベルの試験におけるAIの成績をみると、3年前にはコイントス程度の正解率でしかなかったが、現在は博士号レベルの人間を優に超えている。加えて、推論にかかる費用も低下している。Epoch.aiによると、同じ問題や同じ推論の量であれば、計算コストは毎年100分の1になり、あるいはそれ以上に減っているという。
シンギュラリティが来るのか、それはいつなのかという話題もあるが、学術領域の一つになったAIセーフティの専門家の間でそういった議論は行われていない。未来予測は困難である上、我々の生産活動に対する脅威や軍事的な脅威は既に存在するからである。AIセーフティ、AIガバナンスを考える時代になっている。
さらにライフサイエンスに関連する事例を紹介したい。日本のデジタル庁はOpenAIをはじめとするプラットフォーマーと提携することを発表した。米国では医師会がデジタルヘルス・AIセンターを設立し、適切にコントロールしながら推進していくという声明を出している。AIを心房細動の分類に応用したところ、人間の分類法よりも優れている可能性のある方法を提案してくれたという論文も出た。
今年に入ってからは、AIによる診断だけでなく処方まで行われるようになった。米国ユタ州限定ではあるが、リフィル処方箋をAIが発行できるようになった。ただ処方するだけではなく、患者の感じている効き具合をもとに処方量を変えるような決定もAIが行う。ユタ州の医師会は中止するよう声明を出したが、当局はこの提案を拒絶している。AI提供企業のDoctronic社は今年中に10数州で実施できるよう準備していると語っている。
ChatGPT for cliniciansやGoogleのAI co-clinicianをはじめとして、様々な企業が医師向けAIを作っている。なお、米国ではCures Actという法律があり、患者が自身の医療情報にアクセスする権利が保全されている。日本では、患者自身が自分の情報にすらアクセスしにくいのが現状である。
直近で大きな話題になったAnthropic社はAI創薬のスタートアップを巨額買収した。Novartis社CEOが取締役に就任するなど、ライフサイエンスへ注力する姿勢を明確にしている。FDAはリアルタイム臨床試験の制度化を発表した。有害事象に速やかに反応することが可能な上、十分な症例数が集まったときに試験を早期終了することも迅速にできる。
このように急速な変化が起きている状況において、従来の規制枠組みで対応することは難しい。AIに医師免許型ライセンスを出すことまで議論されている。その一方で、AI医師が提訴されるという事件も起きている。AIの関与を見極めるのが日増しに難しくなっていく中、リーンな管理、ガードレール的規制といったことも考えていかなければならないだろう。
講演4

Patient Engagement プラットフォーム構築による日本の社会保障モデルへの貢献「AI時代における持続性ある社会保障モデル」
株式会社カケハシ上級執行役員
西田 庄吾
弊社のミッションは「日本の医療体験を、しなやかに。」である。AIやクラウドプラットフォームを用いて、薬局の業務効率化、高質化に貢献する事業を行っている。現在は日本にある薬局様の25%超にご契約いただいている。弊社のユニークな点は患者接点を活用したコミュニケーションを最適化しようとするところだ。他に医薬品流通の改善なども行っているが、今回は前者をメインに紹介したい。
メインのプロダクトは、薬局業務で日々発生する薬歴をクラウド化したクラウド型電子薬歴のMusubiだ。クラウド化しただけではなく、患者接点の質も向上させるところに強みがある。薬剤師がタブレット端末で操作できるようになっており、服薬指導の際に伝えるべき内容を表示させることができる。これにより伝達内容の標準化を図りつつ、話しながらチェックすることで患者の薬歴も作成できる。服薬指導が終わったときには薬歴がほぼ完成しているような形になり、業務が効率化される。
Pocket Musubiは患者フォローアップのためのアプリケーションだ。患者がLINEアプリ上で登録する形なので、導入が比較的容易である。このアプリを入れると、処方されている薬に応じて飲み方や副作用に関する質問が送られる。その回答内容によって介入の必要性がありそうだと判断されれば、薬剤師側にアラートが出る。このアプリが普及した背景には薬機法の改正で患者フォローアップが義務化されたことがある。患者の反応率は平均で4割と高く、抗がん剤を服用している方や自己注射を行っている人であれば8割になる。弊社が持つ患者接点の数は、リアル(薬局現場)で3000万人、オンライン(患者フォローアップ)で500万人となっており、後者は毎月30万人程度増えている。
このシステムを用いて重症化予防、再発予防に向けた介入も可能である。患者情報をモニタリングしながら適切なタイミングで介入することができる。これまでの研究により、服薬継続日数の延長などアドヒアランスが良好になるという結果が出ている。また、他の薬剤に移行したほうがよいと思われる患者を抽出して介入することで、新規薬剤の導入率が高まるという結果も得られた。病院と門前薬局が協力してフォローアップすることで、抗がん剤治療を受けている患者の健康関連QoLが改善した、心不全患者の再入院率が下がったという効果もみられた。
また、弊社は薬局以外の業態と連携する取り組みも行っている。処方データと一般商品の購買活動のデータをもとに健康維持に向けた商品を提案したところ、売り上げが増加するという結果が得られた。
糖尿病、認知症、がんなど疾病別にみても攻めの予防医療を展開することが可能だと思う。そのためには患者ごとのPatient Journeyに関する情報、介入できるポイントをとらえられるシステムが重要であり、カケハシはその一端を担っていきたいと考えている。
パネルディスカッション

パネルディスカッションでは、社会保障モデルをどのように変えていくのかというテーマについて、「財政、関わる人の多様さを考えると社会保障システムが抜本的に変わることは難しい。突破口になるのは、生成AIを国民自身が活用し、その便益を享受できるようにすることではないか。」(岡田)、「社会保障における最適配分すらもAIが考えたほうがよいのかもしれない。ただ、それを実現できるかとなると難しい。人に対する理解に則ってインセンティブ付けをするなどの工夫が必要だ。」(西田)といった意見が出された。
AIは医療の質の向上と効率化に対してどのように貢献するのかというテーマについては、「ニーズをとらえて作っていくことで両方に貢献することができる。」(福田)、「まだ享受できていない便益を享受できるような基盤づくりができれば貢献度は大きい。」(岡田)などと述べられた。
どのように医療データの利活用を進めるのか、というテーマについては、「健康データはだれのものかという価値観を変える必要がある。医療機関のものであると同時に患者自身のものだ。」(岡田)、「深層心理では、日本人が変化を望んでいない面もあるかもしれない。強制的にデータの利活用を進めている国があるなかで、それをしない本邦はどういうスタンスを取っていくのか。」(沖山)、「データを活用するというビジョンを持っているプレーヤーが少ない。患者の意思で利活用できるようにすると同時にインセンティブ付けが必要だ。」(西田)といった意見が出された。
どういう領域でデータの価値を発揮できるのか、というテーマについては、「自分の病状については今までより格段に詳しく知ることができる。患者のエンパワーメントに役立つだろう。」(沖山)、「医療、健康、予防と幅広いところで力を発揮し、それがものすごいスピードで進化する。そこで政府がどう動くのかが大事だと認識している。」(福田)などと述べられた。
予防医療を進めるにはどう進めていけばよいか、というテーマについては、「個人、企業、自治体など多層的なインセンティブ設計、メリットを見える形にすることが重要だ。」(岡田)、「健康経営など企業側の努力が目に見えるようになる形にすること、それを知ってもらうことが必要だ。(福田)」といった意見が出された。
フロアからは「既存の制度を変化、しかもその変化の速度が速いことへどう対応させるのか」、「生成AIから得られるベネフィットと増大し続けるコストの関係をどう考えるか」、「医療行為をAIに認めてよいのか」、「国の強靭化に向けて省を横断する形で協力する、予算建てをする必要があるのではないか」という意見・質問がなされた。
成川座長は、「医療の質の向上、効率化は生成AI抜きに考えられない。そのことを踏まえて、国民の理解を得ながら、これからの政策を考えていく必要がある」と述べてシンポジウムのまとめとした。